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エマ通信

2011.10.21

10月エマ通信

10月21日(金)

今月のエマ通信をお手に取っておられない方の為に

マスターの巻頭言を掲載いたします。

 

≪生きる意味を考える フランクル博士からのメッセージ≫

20世紀の世界的名著「夜と霧」で有名な精神科医であり、

心理学者でもあるヴィクトールフランクル博士(1905ー1997)の

分析によると、「人間の根本意志は、意味への意志である」とのこと。

人は心の本質において、常に意味のある人生、価値ある人生をおくりたいと

願い求めている存在であると。―御意。

博士は続けて、では「人生の価値とは何ぞや」という問いに対して、

それには三つの領域があると述べています。

一つ目は「創造の価値」。

二つ目が「体験の価値」。

三つ目が「態度の価値」なのだそうです。

創造の価値とは文字通り、物を作りだす喜びの事です。

心に湧き上がる思いを具象化する作業には、生みの苦しみも伴いますが、

完成した暁には、無上の喜びが私の心を満たします。

体験の価値も文字通り、自然美との邂逅や芸術鑑賞、心楽しき人々との交流等、

日々かかわる出来事に価値を見いだす努力です。

態度の価値とは、たとえ創造や体験の価値を奪われたとしても、

私の魂は決して奪うことは出来ないという、私の心の自由性とでもいうのでしょうか。

例えば、病に伏して寝たきりになったとしても、見舞いに訪れた友に対して、

笑顔を絶やさず、心配をかけまいと態度をもってねぎらう、どんなネガティブな状況下でも

ポジティブな態度を失わない気高き精神性に見い出す価値です。

それらの価値観を基本に人生を歩む努力をする時、人生の問いへのコペルニクス的

転換が訪れると博士は説きます。

すなわち、「生きる意味は探すものではなく、私の人生が問いかけてくるものなのです」と。

 

フランクル博士のことを調べていてマスターが感じることは「正に今」、

「正にここ」に在る「私」とは、この宇宙の場で、絶対的領域を占める、

かけがえのない存在であるという、人間一人一人が持つ絶対的価値性への気付きです。

そしてその価値性は、物心がつく前にすでに人生の方から私に

付与されているものなんだという確信です。

ですから、私が人生に期待するのではなく、

人生の方から期待されている私であることをかみ締めて、

味わい深い人生を歩みたいものです。