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エマ通信

2015.10.07

黎明

「いかづちの怒りも
涙雨の悲しみも
打ち惑う風の迷いも
大地が震撼する恐怖も
逆巻く汚泥の忌みも憎悪も
すべては祓い清めの道行き(プロセス)。
浄化の為の勤めであると心得よ。
甘んじて受けよ。
感謝して味わえ。」

上は、今朝の起き抜けにマスターが書きとめた言葉です。
そんな言葉が、朝まだきのひと時に
湧き上がってくるのには、それなりの経緯がちゃんとあるのですが、
それは割愛するとして。

「その胸の内に溢れる
怒りも悲しみも憎しみも、
やるせなさもふがいなさも、
およそすべての負の情念は
私(あなた)一人のものとは思わないで欲しい。
蓄積されて来た人間の負の歴史に想いを馳せるのなら
理解できるであろう。
歴史というものは、一人一人の人生の集積。
一人一人の想いの受け渡し。
私(あなた)の感情の振れ幅は、
歴史過程における人の情念の振れ幅だ。
それは歴史の結実として私(あなた)に宿る。」
と続く。

故に、
甘んじて受けとめよ、
感謝して味わえと。

ふつふつと湧き上がり沸騰する怒りも
滂沱の涙雨も
底知れぬ恐怖も絶望も
忌みも憎しみも
およそ凡ゆるこの世の負の情念は、
時代と場所を超えて刻印され続ける人々の情念は、
私の存在の深層に否応無しに吹き溜まる。

今、いろんなところで、
その情念が臨界点に達しマグマのように噴出している。
今起きている世の中の珍奇な事象の本質的な原因は、
そこにあるのではないのか。

それは、歴史に埋もれた呻き声。

聞きたくなくとも漏れてくる。
触れたくなくとも覆われる。

誰一人とて、利己的には生きられないように
世の中は仕組まれている。
深く引き篭り厭世を願っても、存在の原理がそれを赦さぬ。

ならばその情念は、
私が抱きしめて共に味わい共に泣き、
私が慰め、とりなして、引き受けてあげるしかない。
故に、人に優しく、私にも優しく。
人に愛を、私にも愛を。

そしてあらゆる反目を越えたところに
東雲(しののめ)の空を
時代の黎明を見る。

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