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エマ通信

2022.09.26

秋彼岸

彼岸のみぎり、秋風に誘(いざな)われるまま近くの緑地を散策する。
ここはかつて万博(EXPO’90)で賑わい、今も万国のレガシーが居残る。
植栽も建物も暮らしの様相も、地域が違えばこんなにも違うものかと感心をする。
それぞれの地域と民族が有する歴史背景に思いを馳せながら、
時間の流れと空間の広がりのその中で人が何を信じ、願い、求めてきたのか、人の多幸の何たるかを、つと想う。

そして、彼岸と此岸。
それは、
あの星空のこちら側と向こう側、
時間の流れのこちら側と向こう側、
それをどう解釈するのかの問題。
アルゴリズム。
そこ(真理)に行き着くための道筋は、いろいろあっていいし、許されているはず。
肝心なことは、存在の凡ゆるが同根であることへの気付き。
時間の流れも空間の広がりもそもそもが在りて在るものの振る舞いに収斂されて行く。
その源泉にはきっと、純粋で壮大で圧倒的な愛の力がたゆたうことだろう。
それが私なりの信仰の核心だ。

この世の凡ゆる信心とは、最期を迎えて超えて達する為のアルゴリズムではなかろうか。

さて、いつかは誰もが故人となって彼岸の彼方に住まうと聞く。
もしも、在りて在るものの正体が、
純粋で壮大で圧倒的な愛の本体であるならば、
彼岸と此岸はきっと完璧なハーモニーで響き合うことだろう。

だが、その解釈はあくまでも私か貼り付けたキャプションに過ぎない。
信心の在り方はこれからも時代とともに地域とともに書き換えられて行くことだろう。
人の暮らしの営みに無限の多様性が許される限り、人が多幸を追い求める限り、言葉も風習も建物も信仰も変わりゆき、いずれはみな夢の跡となる。
ただ、在りて在るものの振る舞いだけは不変ではないのかと私は疑い、信じ続けて行く。
大切な人々と永遠に響き合う為に。