2018年 9月 22日

初秋を鮮やかに飾りたてる花。

今年も彼岸花を見かける時季となりました。

毒々しい程にその存在感を発揮して、

けれどもあっけなく散りぬる短命の紅花。

この花、その茎と球根にアルカロイド系の毒を持つため、

ネズミやモグラ除けに昔は田んぼの畦や墓所の周りにわざとに植えられたとのこと。

ある物書きさんが言うには、

彼岸花の紅い色が鮮やかに過ぎるのは

鱗茎に毒を秘めているが故の性(さが)ではないか、と。

例えば、毒蛇、毒蜘蛛しかりで、

毒を秘めたる生き物はその紋様にしろ色柄にせよ

どこか溌剌に過ぎるきらいがある。

また、彼岸花の花弁の枯れ様が薄汚く哀れで短命なのは、

鱗茎から上がって来た自分の毒にやられるからではないか、と。

そして結びの感慨として、

「人間にも才能があるのに

自分の毒でやられる、そういう人がいる。

美しくもあるが業の深い可哀想な花だ。」と締めくくる。

慧眼。

確かにこの花にはどこか血の気の色した妖しさが漂う。

この世とあの世の境い目に佇むかのような華。

そして、花と葉が同時に揃うことがない。

「花は葉を見ず

葉は花を見ず

いつまた出逢うか彼岸花

 

命短し彼岸花

己が毒にて散りぬるを

此の世の定めと誰ぞ泣く

 

此岸(しがん)と彼岸の深い川

この世の念(おも)いは届かぬか

あの世の想いにこそ倣へ」

 

秋彼岸。

西は彼岸(浄土)で東は此岸(苦海)。

日の道が両岸を結ぶ一日である。