笑間通信 1月号
【新年、あけましておめでとうございます】
2012年1月1日は、
2+0+1+2+1+1=7、ということで、
今年でエマは、創業7周年を迎えます。
時の移ろいは足早で、しかも年齢を重ねる程に
その速度は早まってゆきます。
子供の頃は、一年がもっと長く感じられたのに…。
大人になるにつれ、時間の経過が足早に感じられる、
この時間感覚の原因は一体何なのか?考えてみました。
まずひとつは、体内代謝に起因しているのではないでしょうか。
例えば、成長期にある子供を見た時、一日で身長が数センチも伸びたりと、
体内での生命サイクルが活発に活動していることがわかります。
すなわち、体内での新陳代謝速度がすさまじく早い。
この新陳速度を私の体内時計の針に見立てたとすれば、
一年の間に恐ろしく針が進むことになります。
ところが、成長して加齢するにつれ、この代謝速度は確実に遅くなってゆきます。
すなわち、自己の体内時計の針の進み具合はゆるやかとなります。
したがって、この体内時計の感覚からすれば、
若い時はこんなに身体は変化したのにまだ一年しか経っていないのかと感じるのに対して、
老いるにつれ、たったこれきりしか身体を使ってないのにもう一年も経ってしまった、
と感じるのではないでしょうか。
あるいは、実生活面においても、若い時分は気力体力ともあり余っているので、
一つの仕事を仕上げるのにそんなに時間を必要としませんが、
老いるにつれ、ひとつの仕事を仕上げるのに必要以上に時間がかかるようになります。
かつては、一日あれば相当の仕事量をこなしていたのに、
今ではひとつの仕事を仕上げた時にはもう夕暮れ、なんてことになる。
要は、代謝の面でも実生活においても、
実際の時間の経過に対して、自分の生命活動の速度がついていけなくなってくるという、
この日々容赦なく進む時間に対して、自分が取り残されていく感覚、
それが、大人になるにつれて時間を足早に感じるようになる原因なのではないでしょうか。
一番簡素化した例を挙げるなら、
人は眠っている時間が長い程、
時間の経過を早く感じ(一瞬にして夜は明ける)、
起きている時間が長いほど、
時間を長く感じる(寝つけぬ夜の時間の長いこと)
ということです。
ただそうは言っても、経過した年月をふり返る時、人は必ず、
あっという間の年月であったという、共通の感慨を持つものです。
問題は、そこに満ち足りた思いがあるのかどうか。
手応えのある人生だったか、
感謝できる人生だったか、
愛のある人生だったか、
その充足感がある時、人は時間の呪縛から解放されるのだと思います。
私に与えられた時間は有限なものであるけれど、
今日という日をいかに意味あるものとして、
丁寧に生きてゆけるのか、そのことが一番大切だと思うのです。
以上、
一年の出発に際してのマスターの「時間考」でした。
さて、今年は壬辰(みずのえたつ)年です。
「壬」は、海洋や大河の水を象徴し、字は草木の内部に種子が生まれた状態を表します。
「辰」は、草木が旺盛に成長し形が整った状態を表すそうです。
今年は水流を得て、広い世界へと漕ぎ出す年でしょうか。
エマ通信 No43 2012年新年号 巻頭言より