一房の葡萄ケーキ
たわわに実る一房の葡萄。
その実のひとつひとつを優しくもぎり取って、
丁寧に水洗いして、
真っ白な布巾で手の中に包み、
その雫を拭(ぬぐ)う。
そんな一連の作業をなぞるママの手は、
美しいと思います。
この頃つくづく思いますが、
料理の最高の調味料は、
実は「手」なのではなかろうかと。
同じ料理を作っても、絶対にママには敵わない。
有島武郎の童話、「一房の葡萄」。
この物語で印象に残るのは、
盗みを働いた少年に、
一房の葡萄を手折って渡す、
女性教師の「白い手」です。
少年の正しい成長と
互いに許し合い受け入れ合うことの大切さを願う愛情。
手は、思いを伝える 声無き温もり。
今日のケーキは、そんな愛情の
「一房の葡萄ケーキ」(^^)