捲土重来
少し気怠く眠気の抜け切らない朝なのは、
秋雨(あきさめ)による湿気と季節の変わり目のせいでしょうか。
身体が起きやらぬ蕭雨(しょうう)の朝は、
窓越し移ろう虚空を
うつらうつらと眺めてくらす。
寝ても寝てもまだ寝足りないそんな日は、
日がな一日眠り続けるのが一番自然なこと。
睡眠と栄養補給で心と身体のずれを補正する。
心虚しくして余計な事は考え過ぎないようにする。
そこが肝要。
そんな大袈裟に構えることもないが、
生命力とは、本来旺盛なもの。
「捲土重来(けんどちょうらい)」。
風に逆巻く土煙り。
私は、
例え滅ぼされても滅びない。
決して負かされても負けない。
時折り、休息が必要なだけだ。
直ぐにまた起き上がる。
そして自分に言い聞かせる。
心で闘え。
心で立ち向かえ。
心で生きろ。
そんな事をかつて英五さんに教わったような気がする。