無限の前に腕を振る 秋の空はことのほか感傷を呼び覚ます。 私は結局、 何もわからないまま 何もつかめないまま 人生を終えて行くのかもしれない…などと。 空の奥行きと 色彩と造形の流転の狭間で 目を見はり 息を凝らし この身を晒す。 言葉におこし得ない言葉が 沈黙の間合いに無限にひしめく。 つるべ落としの夕間暮れ 圧倒的無限の前に押し潰されないよう腕を振る。