春を愛でる
今年は密やかに春を愛でる私たち。
先日のこと、春の陽気に誘われて、新緑狩りに行く。
桜はそろそろ見おさめ。
クヌギやケヤキの落葉樹には可憐な新葉が。
とりわけ私の目を引いたのは、桂の木。なぜだかいつもこの木に私の心は寄る。
勝手なイメージだが、
涙の峠を越えに越えたその果てに月の裏側で出会える木。
とりわけ、この季節の新葉の小さなハートがなんとも愛らしい。
その心の形は秋も暮れてくれば豊かに色づいてカラメルの芳香とともに辺りを潤す。
月の水辺に佇んで愛しい人を招くよな、桂の木。
この木に二人寄らば、いずれ佳き事めぐるよな。
桂。私の伴侶の愛する木でもある。