春分の入り日

開けた視界に一瞬火の玉の閃光か、と思えるほどの春分の入り日にしばし見惚れる。

砲弾は飛び交い、白い鳩は舞い続けて、
世界は今日も燃えたつわけだが、
春の海はかように凪いで、
落日の道の標(しるべ)は、人の道は風に聞けと素知らぬ顔をする。
少し淋しい気もしたが、僕は胸に手を当て握り拳に力をこめて、祈りを捧げた。

ねたまず、高ぶらず、誇らず、無作法をせず、いらだたず、恨みをいだかず、
偽りや誤魔化しのない天の軌道と向き合い、その時々の雲の造形や潮の香りや歌を喜べと、風のまにまの声は言う。

トラックバック

このブログ記事に対するトラックバックURL:

コメント & トラックバック

コメントはまだありません。

コメントする