かむながら
憂鬱がのしかかる、朝。
目覚めが悪かった訳ではなく、なんとなく起き抜けから心と体にチグハグな感覚が残った。
悪夢でも見たか。
よく覚えていないが、もどかしさに憑かれるような、そんな夢だった。
今朝は、雨もさめざめと降り、
いつものルーティーンが妙に余所余所しい。
手にする物は指を擦り抜けそうだし、目に映るものはどこか虚だ。
「これは、『マブイ(魂)』だな」。
マブイが彷徨っている。
世の情勢がこんなじゃ仕方ないだろう。
容赦のない破壊にマブイが震えあがっているんだ。
このままだとマブイグミにも行けない。
あくまでも武器を欲しがる者には、一円一厘たりとて支援はしない。
殺し合う者同士のどちらかに加担することを人道とは思わない。
ましてや、大義と大義が刺し違える戦争において善悪を量ることは難しく、不毛でさえある。
戦時下にどうせ死ぬのであれば、僕なら非暴力不服従で死にたい。
求めるべきは、神の国と義。
随神(かん)ながら守り給い、
随神ながらゆかせ給へ。