2022年エマ通信5月号(創刊165号)
【大切な一杯の為に出来ること】
二人三脚。
マスター愛用の焙煎機と連れ添って17年。
戦友と言うべきか、恋女房と呼ぶべきか、はたまた利かん坊との珍道中?
いずれにしろ、二人三脚。私はこの子以外は知りません。
井上製作所製、直火式1キロ釜の焙煎機HR-12。
極めてアナログ仕様なこの焙煎機、今はもう製造されていない。
焙煎のメソッド。それを語り出すと十人十色、千差万別あることでしょう。
勿論マスターにはマスターのこだわりやその都度の気づきを含め、自分なりのメソッドがあります。
今にしてようやく辿り着くコツもあります。
近頃では、AIやマイコンで緻密にプロファイリングされたデータを駆使しての完璧な焙煎もあるようです。
だけど私は世の中がどんなに進化しようとも、うちの焙煎機がNo. 1だと思っている。
蘊蓄や最新の性能にも興味はあるけれど、
とは言え、とどのつまりコーヒーとはカップに落とされた時の味わいとそれを嗜む人とのマッチングこそが重要で、それを演出するところまで含めての珈琲屋。
奥深く果てしないが故に、茶の湯は「道」となり、珈琲も等しく「珈琲道」です。
さて、美味しいコーヒーを演出する上で重要なのは、やはり焙煎であると考えます。
私の場合、焙煎は調理に等しく、火加減と排気加減で行います。
生豆を投入する時の釜温度、
温度低下をどこに定めて、
その後どのくらいの間隔で温度を上げて行くのか。
排気の加減は釜内の圧力の加減でもあるので単に温度を上げ下げするだけでもなかったり、
ハゼが始まったときの対応をどうするのか、
外気温や釜の蓄熱量への配慮等、
考慮すべきパラメーターは際限無くあるものです。
それらを五感を駆使して、時に六感をも働かせながら取り組みます。
うがったことを言えば、
「珈琲とは一杯のカップに落とし込む自画像」でしょうか。
先ずは私自身が至極の一杯と出会いたい。
その為にも、精進怠らず、火の要鎮で日々焙煎に挑みます。
【皐月五月の笑間】
今月の展示
八代大地さんの焼刻画が2点と、
エマママ監修の「母に寄せる詩(うた)」を展示致します。
★5月10日(火)ありがとうの日
毎月10日恒例のお客様感謝デー。
ご来店の皆様にささやかなお振舞いをさせて頂きます。
★5月14日(土)、21日(土)夜カフェ
マスターの弾き語りナイト
BGMをマスターの一人語り(弾き語り)でお届けします^ ^
ノーチャージですが、投げ銭箱を置いております(^^)
18時〜20時まで
*夜カフェは、アルコールメニューあり。