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エマ通信

2022.07.01

2022年笑間通信7月号(創刊167号)

2022年 笑間通信7月号(創刊167号)

「田舎に帰ろうや」

マスターが中学二年になった時のこと。
新学年はクラス替えと共に始まり、
登校初日は出席簿順で席を詰めるのが慣わしで、
僕「なかおおもり」の前に居たのが、「たなか」君であった。
田中君はなかなかの優男(やさおとこ)で気立も良く、なんとなく僕と気が合った。
その時代の僕は文字通り厨二病の真っ最中で、真剣に人生と社会を変えてやろうなどと、不敵な妄想を募らせていたのだ。
その時代の僕は、既に「無為自然」と「晴耕雨読」を標榜する世捨て人的ジジイな少年で、
愛読書は武者小路実篤の「人生論」であった。
当時の僕はこの本に強烈な触発を受けたのであるが、今尚、この本は僕の青春バイブルの一冊でもある。
さて、八重山にルーツを持つかつての浮かれた少年は、たまたま前の席になったお人好しの田中君を巧くそそのかして、「田舎に帰ろうや同好会」なる同志会を創設し、彼を会員第一号にまんまと仕向けた。
当時、僕が何をまくしたて主張したのかは定かではないが、一応、会の信条は明文化されており、それは、

『誠実と信頼』

と言うたいへん真っ当なものであった。
そして会長に居座った当時の僕は、同好会歌を作詞作曲し、田中君に半ば強制的に歌わせた。(いずれ機会があれば笑間の歌夜会で披露致しましょう^ ^)

そんな青春時代を時折り振り返り思うことは、
あの頃の延長のまま今なお私は生きています^^;
それはある意味、トホホ…、なことでもありますが、こればっかりは今となっては死ななきゃ治らないレベルの話で、どうかお許しくださいませ、神様、お釈迦様と、日々手を合わせております。
浮世を離れて早、半世紀。思えば遠くへ来たもんだ。

今年も夏の雲は折り重なって地平にどん詰まり
冴え冴えの空にしばしのさばる
蝉の鳴き声は極まって
時間さえも詰まらせる
静止する街に陽の光は容赦なく
屋根にも木の葉にも熱波を注ぐ

夏の盛りのアスファルトの路(みち)に立つ
かつての田舎の少年は
おそらくはあの雲の先にこそ本物の海があるのだと
心に帆を張るのであった
思えば遠くへ来たものだ
モノトーンに暮れてゆく海辺の町に
かつての色をもう一度蘇らせたい

さて、そろそろ本気で帰郷するか。
信頼と誠実さのみで生きてゆける居場所を今も探しています。

〓文月七月の笑間〓
今月の展示
◎堀口知子さんの作品展
堀口さんプロフィール
「幼少時より絵を描く。大学では美術史などを学び、制作を続ける。転職失敗を機に作家活動の幅を広げ、国内外の公募展やグループ展、オンラインエキシビションに多数参加中。」
そんな、キャリア、実力ともに申し分のない作家さんです^ ^

※今月のお休みにご注意ください
定休日→水曜、木曜、日曜
臨時休業日→7/2(土)、7/18(月・海の日)
営業時間は、平日11時〜17時
土曜11時〜20時(夜カフェ営業)

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代表 仲大盛永勝(ナカオオモリ エイカツ)