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エマ通信

2025.08.14

お盆は、

「お盆は平和を祈る一日にしたい」と、そう語られたご婦人がおられました。
聞けばそのご婦人が2歳の時にお兄様が出征し、そして終戦を迎える2週間前に戦死したそうです。2歳児に留まるあまりに朧げなそのお兄様の面影であればこそ、今なお心に離れ難い想いがあるのでしょう。
同じような英霊をお祀りしていらっしゃるお家は沢山あることでしょう。
お盆には私も本家にお参りに出かけ、その都度、ご仏壇のご位牌を手に取り名前を確かめます。
本家のご仏壇には10柱程のご位牌が収まっておりますが、その殆どが先の戦争の前後に亡くなられています。
亡父の長兄は出征し、最期はロタ島で終戦の半年前に戦死しています。
聞くところによれば、生き残った仲間の食糧を確保する為に米軍の食糧庫に忍び込みその帰りに撃たれたそうです。その後、日本軍から届けられた遺骨箱には現地の石くれがひとつだけ入っていたそうです。
他の位牌は幼ない子らが多いのですが、当時の沖縄の庶民は大人も子供もそのほとんどがマラリアに罹って亡くなっています。
石垣島でも度々艦砲射撃に見舞われる中、大人達は食べる物を確保する為に、子供たちを残して右往左往していたそうです。
時には数日間家を空けることもあったそうで、帰宅した時には子供らは既に手の施しようもない位ぐったりしていたことも多かったようです。栄養の絶望的な不足の中、子らは親の帰りを待ち侘びながら、がたがた震えていたと、かつて私の父はその実体験を語ってくれました。

人が最後に還る場所はいつの時代も家族のもとです。
人の原点は家族であるならば、その家族の基である夫婦から平和は始まるのだと強く思います。
お盆は、最愛のパートナーと深く平和を祈る、そんな日にしたいと思う次第です。