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エマ通信

2025.10.01

2025年笑間通信10月号(創刊206号)

2025年笑間通信10月号(創刊206号)

珈琲屋を生業として20年が経ちました。
正直に言うと、もともとコーヒーには何の興味もなかったマスターでしたし、自分が将来喫茶店を切り盛りするようになるなんて当時は夢にも思っていませんでした。
そんな私が珈琲屋を志したきっかけは、福井市は上森田にある老舗珈琲店「豆蔵(ma maison)」さんとの出会いにありました。
珈琲屋を始める前の私の職業は牛飼いで、当時は故郷石垣島で夫婦二人して黒毛和牛の育成に励んでいました。
ところが私が仕事中に大怪我をしてしまい、その怪我の治療に2年を要し、その間に狂牛病問題が世間を賑わせ、その風評を受けて牧場が敢えなく倒産してしまいます。この先どうしたものかと思案に暮れていた丁度そんな矢先に出会ったのが「豆蔵」さんだったのです。
その当時なぜ私が福井にいたのかと言うと、実は治療の為でした。私の怪我の完治を徹底的に願ってくれた家内の内助の末に形成外科の世界でブラックジャックの異名を持つ凄腕の先生を幸運にも紹介していただき、福井までやって来たという次第です。
私の怪我は右手親指の欠損でその形成とリハビリが必要なだけだったので、普通に動き回るには別段問題ありません。なので暇を持て余すよりも外出許可を得て時々、町の散策に出かけておりました。そんな時に訪れたのが豆蔵さんだったのです。
店主の朝日さんはもともとは東京でサラリーマンをされていましたが、脱サラして二代目店主として豆蔵を引き継がれた方です。
実は、私は朝日さんのコーヒーをいただくまで、コーヒーという飲み物の本当の美味しさを知りませんでした。
それは珈琲のプロが丁寧にお点前(てまえ)をする「煎りたて、挽きたて、淹れたて」の本物の珈琲の美味しさに初めて触れた瞬間でもありました。
もちろんその味わいもさることながら、喫茶店という空間のもたらす居心地の良さも合わせて私の忘れ難い体験となりました。
それが私をして珈琲へと向かわしめる一番のきっかけになったのでした。つくづく、人生は出会いであると思います。
もともと会社勤めには向かない性分であることは自分でもよく分かっていましたので、ここいらで自分の働く場所は自分で作ってみましょうと一念発起し、笑間珈琲の誕生に至ります。
それ以来、独学で珈琲の研鑽に励みつつ、気が付けば あっと言う間の20年でした。
コーヒーは、技術と知識の習得もさることながら、私が学んできたものはそれ以上に人としての生きる気構えだったように感じています。
人様を迎え入れ、おもてなし、送り出すという一連の作業を20年間延々と繰り返して参りました。
そんな私に何か人生の成果があるとすれば、金とか地位とか名誉より、人生の中においてどれだけいいシーンに出会えたか、心豊かな人々との触れ合いがあったか、そのことに尽きます。
それは、結局人生の最期は思い出だけが道連れだと思うからです。
この先AIがなんでもスマートに人の代わりをやりこなす時代が訪れるとしても、だけど私は大好きな人たちとの心の触れ合いを何よりも大切に生きて行こうと思うのです。
人一人に出来る事はあまりにも限られていて、しかも人生はあまりに短い。
であればこそ、私は私の標語を頼りに今日の暮らしを丁寧に綴りたいと思うのです。

「歩み入る者にやすらぎを
去りゆく人にしあわせを」

【神無月10月の笑間】
〓今月の展示〓
荘林敦子さんの絵画展
「荘林敦子と申します
この度、3度目の展示という機会を頂きました
こんな感じの人もいるんだなぁ〜って思ってもらえたら嬉しいです」

☆10月5日(日)第35回トモーニマルシェ
毎月第一日曜恒例の地元マルシェ。お昼の時間にマスターのライブもございます^ ^
時間:10時〜16時
場所:京阪西三荘スクエア1階(守口市橋波東之町3-2-38)
入場無料です。

☆10月10日(金)ありがとうの日
毎月10日は、エマのお客様感謝デーです。ご来店の皆様に小さなお振舞いがございます。

☆10月25日(土)
KADOMA COFFEE FESTA 2ND
門真の珈琲SHOPが集う、コーヒーの祭典です。
エマコーヒーも参加致します。
時間:10時〜15時
場所:京阪大和田駅前南口広場(元UFJ銀行跡地)
入場無料ですが、試飲チケット(前売500円、当日700円)もございます。