月に吠える 世界の小さな片隅で 優男たちは懸命に 命の重たさと向かい合い 真摯に暮しを紡ぎ続けたのだ。 みんな優しい男たちだった。 そんなことじゃ世間は渡って行かれないことくらい 重々承知はしていたけれど。 だけどその苦しみ抜いた魂は、 今となっては貴い宝だ。 だから彼らにどうか赦しを。 そんな男たちの挽歌が今日の月夜を満たす。 痩せた野良犬たちの遠吠えがこだまする夜。