時代は変われど
昔の線路の盛土(もりど)には、
畑や花壇や物干しや犬小屋や
小さな子供の遊び場まで、
いろんな暮らしの風物が息づいていておりました。
ヨモギに土筆に菜の花に
無花果は子供には苦手だったけど、
近所のお年寄りもお母ちゃんも
夕餉の支度の線路の土手路。
今はしっかりと金網で仕切られてしまって、
やたらとゴミが吹き溜まる。
昭和38年生まれの僕が見てきた時代とは何だったのだろう?
平成の人たちとは
やはり見え方が違うのだろうか?
これから先の人たちは、
更に何を見届けて行くのだろう?
時代は変われど佇む樹々のひたむきさよ。
在りて在る凡ゆるを統べる真は在るのかな。
まごころをひたむきに掘り下げて行きつく先のその先へ。