2015年エマ通信2月号(創刊80号) 表紙記事
「大寒のお水取り」
先日、郷里が北陸だと言うお母さんと
おしゃべりをしていて、
「大寒」の話題となりました。
暦の上で最も寒いとされる日=大寒。
今年は、1月20日(火)。
この日から2月3日、すなわち
立春の前日(節分)までの期間を
大寒と言うそうです。
昔から大寒の朝の水は
年間を通じて腐らないとされていて、
こちらのお母さんの郷里では、
この水でついたお餅は腐らずカビずで
保存のきく餅として重宝がられたそうです。
この餅を短冊に切って自然乾燥させたものが
北陸の郷土食「寒餅」であるとのこと。
ほう!と、このお話に触発されたマスター。
「大寒の日の朝一番に
お水取りに行くぞよ!」と、
強烈に目論んだのでした。
そう目論んだのには、訳があります。
ハードニング(硬化)と言う園芸用語を思い出したからです。
これは、植物のタネというものは、
一定の低温に晒された方が発芽率が高まるという
自然の法則を教える言葉です。
或いは、蕎麦の実のとある産地では、
採れた蕎麦の実をこの大寒の時期、
標高千メートル程もある場所までわざわざ持って行って、
そこから湧き出る湧き水に
一昼夜晒して天日に干すそうですが、
そうする事により、
得も言われぬ甘味を醸す様になるのだとか。
はたまた、
昔から武道では寒稽古、
学校では耐寒訓練とか、寒中水泳とか。
極寒に肌身を晒すことを
わざとに行う習慣があります。
これらは全て、
厳寒を身にまとうことで逆に、
身体の芯に宿る生命力に火が灯るという
自然の摂理に適う神事にも通じる行事だったのだと
理解ができます。
「命の火を燃やして生きる」
=「自分の今在る環境を自らが照らして生きる事」。
そんな生き方を身に付ける呼び水として、
大寒の水を取りに行きたいと、
マスター強烈に思ったのでした。
そして迎えた、
皇紀2675年、西暦2015年、1月の二十日、
「大寒」の一日。
年間を通じて一番「寒」がきついとされるこの日。
マスター、朝の4時に起き出して、
身支度整え、当初の予定通り
朝一番の大寒のお水を取りに行ってまいりました!
そして敢行致しました
「ひとり大寒稽古」。
行き先は、私市からくろんど池に至る
沢沿いの山道の途中に落ちる
月の輪の滝。
滝まで行き着いた時、時刻はまだ5時半。
さすがにこの時季のお山の中は
真っ暗闇じゃござんせんか^^;
懐中電灯に小さく照らされた山道は
薄気味悪ウございます(~_~;)
しかし、大声で歌いつ腕振って
気持ち励まし行進しました^o^
そして目的地に到着。
暗い滝壺を前にして
衣脱ぎ捨て褌姿もはばからず、
水面に両足踏み入れて、
自己流の祝詞(のりと)を奏上して、
マスター意を決して、
(以下、勧進帳風に)
「褌(ふんどし)一丁滝壺に
足を踏み入れ歯を食いしばり
右手に救い桶ひとつ
気合一発滝水さらい
ザンブザンブと寒を頂く〜!」
その様子の証拠写真もありますが、
マスターの肉体美があまりに生々しいので、
非公開とさせて頂きます^^;
その後、大寒のお水を取りに、
山の湧き水が溢れるポイントへ。
そしてしっかり清水を頂いて下山。
ありがたいのは、
ママが嫌がらずについて来てくれたこと。
こんなモノ好きな男の浪漫に、
付き合わせて申し訳ないと
一応思ってはいるのであります^^;
ありがたいことです。合掌m(_ _)m
けど帰り道の朝焼けは、
とても清々しかったです(^^)
そんなことで、この日のエマは、
採りたての寒の水にて
珈琲を淹れさせて頂きました。
石垣牛すじカレーのご飯も
もちろん寒水で炊きました。
本年の無病息災、壮健頑健間違いなしの
この日限りの福運メニューだったのでした!
取りこぼした方、
また来年、
あるかどうかは分からない…m(_ _)m
取りあえず今のところ、
エマのマスターは目茶目茶元気です\(^o^)/