晴れ上がる時を
光さえも真っ直ぐに進むことの出来ない混迷期。
なんの話かと言うと、
この宇宙の生成と成長の物語りです。
(あくまでもイメージ先行の文章であることを
お許しください)
今を去ること約137億年前、
まだ何も存在するもののなかった
絶対無の時代(時間の始まり以前)に、
突如として膨大なエネルギーのゆらぎが現れたかと
思う間もなく、
それが大爆発を起こして
この宇宙が誕生したと、
現代の宇宙物理学は教えてくれます。
上記に物理学の用語を当てはめるなら、
「絶対無の時代」=「虚時間の世界」
「膨大なエネルギーのゆらぎ」=「インフレーション状態」
「大爆発」=「ビッグバン」
となります。
このインフレーション状態の時点での
宇宙の大きさ(その誕生の瞬間)は、
半径10×マイナス33乗cmと、
極極小な点でしかなかったものが、
その僅か
10×マイナス38乗秒の間に
一瞬にして億兆を超える規模の
超大膨張が起こり、大爆発(ビッグバン)となって、
エネルギーの凄まじい拡散が始まった、
と考えられています。
ただし、この原初の宇宙空間は、
あまりにも高温高密度過ぎて
光さえもが真っ直ぐに進むことの出来ない状態にあった。
それこそあらゆる力のせめぎ合い、ぶつかり合いが
繰り返されていた「宇宙の超ストレス期」、
と言ったところでしょうか。
ところがそんな状況にも突然終焉が訪れます。
正と負の激しいエネルギーのせめぎ合いの果てに
最後、正のエネルギーの方がわずかに優ったために
ようやく「光が直進出来る状態」となり
その瞬間突如として「宇宙の晴れ上がり」という
現象が訪れます。
その晴れ上がりが訪れるまでの時間は、38万年。
宇宙の本格的な形成はここから始まります。
そしてなんと、この時に放たれた強烈な光の残像が
私達が観測できる最古の光として
「宇宙背景放射」と名付けられ、
その観測データを根拠に
現在宇宙の年齢が137億歳であると
認定されているという事です。
光にも、光が光として届かなかったり、
歪曲され捻じ曲げられたり、
その本来の性質が発揮できなかった
不遇の時代があった。
翻って人類の文明歴史は、
約6000年と推定されています。
振り返れば、善悪のせめぎ合いともとれる
闘いの歴史内容です。
そして未だに人類は、
そんな小競り合いを繰り返し続けては
今や滅亡の危機に瀕しております。
ああ、馬鹿馬鹿しい。
色情を貪り淫乱に堕す者。
強欲に駆られて金品財物を掠め取る者。
傲り昂ぶり慢心し人を蔑み傷つける者。
血気や憎悪に駆られて人を人として扱わず
残虐非道な行いで人命を奪い取る者。
今日まで人類は、
言葉にするにおぞましい、
目に浮かべるに耐え難い、
幾多の忌まわしき罪業を繰り返し積み重ねながら
歴史を綴り来た。
それでも尚、
どんなに世界を暗黒が覆い尽くそうとも
光は光として突き進む。
そして、見たまえそれは突如として訪れる。
人類の歴史にも必ず晴れ上がりはやって来る。
人の心は、その光の何たるかを
本当は皆んなちゃんと知っているのだから。
僕は疑わない。
それは突然、明日訪れるかもしれないことを。