笑間通信 六月号巻頭言 中
6月5日(火)
そもそも、若き日のマスターは(今も多少そうですが)、
生きる事に全く自信が持てない、超ネガティブなタイプの人間でした。
内省しすぎると言うのか、いつも劣等意識にさいなまれて、
人の目をまともに見てしゃべることが出来ない位、超内気な少年でした。
ですから、その時代のマスターのテーマは「無為自然」。
いかにすれば、等身大の自分を素直に生きることが出来るのか、
そんな事ばかり考えて、日々を悶々と過ごしておりました。
そんな風でしたから、異性とまともに向き合って話が出来るような
精神状態ではなかったし、実際、異性と交際したこともありませんでした。
そんな思春期の自分にいつも言い聞かせていた言葉が
「待たず、追わずの心持ち」というものでした。
待ち人が向こうから来てくれる事をひたすら待つでもなく、
必死のぱっちで追っかけ回すのでもなく、
そんなことは自然にゆだねておけば良い、という心持ちです。
自然界は全て、陰と陽のバランスで成り立っているのだから、
時が来れば、こんな自分にも必ずや良き伴侶が現れるはずと、
だから、その時までは、己を成長させる事に邁進すべしと、そう心に言い聞かせておりました。
そしてママと出会いました。
「妙縁」。そんな言葉があるかは知りませんが、ぼく達は、初恋にして
初愛同士の出会いでした。