誠を生きる
日々、如何なる言葉と向き合うのか。
私が用いる言葉が、
私の思いを形作り、
私の暮らしの質を定め、
私の人生を決めて行く。
言葉の偉大さ故に師は語り続ける。
詩人は言葉に羽を見い出す。
歌い手は心を揺さぶる言葉を調べに乗せ、
画家は声なき言葉を絵筆にて紡ぐ。
数学や物理が存在の成り立ちをやっきになって解明せんとする数式もまた、
言葉。
私は私自身を私が選ぶ言葉で育んで行く。
言葉を契機に思いを深め、
深めた思いからまた言葉に帰り、
その言葉からぶれないように暮らしを綴る。
それが誠実に生きるということだろう。
成る程、誠実の「誠」は、「言」葉が「成」ると書くではないか。
聖人となるよりも、誠人と成りたいものである。