取り敢えず、口角を5度上げる
今シーズンは暖冬傾向とは言われていたものの、
先日、冬将軍は容赦なく列島を寒気で覆い尽くしました。
エマをお慕い下さるお客様に
旅立ちの多いのも今頃の季節です。
つい先日ご夫婦でエマの珈琲にこよなく親しんで下さった
お客様が、
「この度転勤にあいなりまして」と、
わざわざご挨拶に来て下さいました。
そして、
「近くに来る折があれば必ずまたエマに立ち寄ります!」
と嬉しいことを仰って下さいました。
「立ち寄りたいと心から思えるお店がここにあるなんて
とても幸せなことです!」とも。
そして、マスター独り言のように答えてしまいました。
「次会う時までエマが生き残ってたら良いのですが…」と。
「マスター、そんな淋しいことを言わないで下さい、
しかも遠い目で>_<」
と少しうろたえ気味に応じるお客様。
「あっ、ごめんなさい^^;」。
いつになくそんなネガティヴな受け答えとなったのには、
実は理由があります。
今年に入ってマスターと同年代の知り合いが二人も、
立て続けに亡くなったのです。
原因は、二人とも悪性腫瘍。
一人は、実家の隣に住んでいた従兄弟。
もう一人は、近所に住んでいた幼馴染み。
二人とも当時は元気で腕白な少年でした。
大人になってからの消息がお互いほとんど途切れていたので、
突然の訃報にとても驚かされました。
二人ともまだ男盛りの50歳前後。
人生は、儚(はかな)さ孕(はら)む あした散る花。
そんな思いを募らせた次第です。
彼らがどんな思いで逝ったのか、
どんな思いで人生を振り返ったのか、
今となっては知る由がありません。
従兄弟の訃報を別の従兄弟の兄さんに伝えたところ、
「人間死んでしもたら終わりや。
魂、魂、言うけどな、そんなもんあらへん。
人間生きてるときだけが花や。
ワシはそう思う。」
遠い目でそう答えました。
人それぞれの死生観。
皆さんはどうお考えですか?
明確な死生観を持つも持たぬも共に人生。
どんな生き方をしようとも等しく一人の人生。
俺は、今はまだ人生を語らず。
先に旅立った友よ、
仕上げは俺に任せておけ。
何があろうとも俺は生き延びて、
幸せの道を拓く。
それが俺の供養の言葉。
取り敢えず今日、口角を5度上げる。
景気付けに力うどんを喰らう。