雨の日のケーキ 秋深まりつつあるほどに なおも物悲しき雨の日よ。 思うに、風景とはひとつの精神状態だ。 雨に出くわす時、暮らしのリズムは減速し、 しばし佇み、その音色や匂いや空気感に静かな旋律を読み取り、感性が研ぎ澄まされてゆくを知る。 雨に親しむことで精神が豊かに深まり、鼓舞されることだってあるのだ。 雨に魅了されるのも良いものだ。 そんな秋の雨の日の一服に、 温かい珈琲とシナモンの香り立つカボチャのケーキはいかがかね。