彼岸花想

今年も彼岸花を見かける時季となりました。
毒々しい程に鮮やかに
その存在感を発揮して、
けれどもあっけなく散りぬる
短命の紅花。
この花、その茎にアルカロイド系の
毒を持つため、
ネズミやモグラ除けに
昔は田んぼの畦や墓所の周りに
わざとに植えられたとのこと。
ある物書きさんが言うには、
彼岸花の色が毒々しいのは
鱗茎に毒を秘めているが故の性(さが)
ではないかと。
例えば、毒蛇、毒蜘蛛しかりで、
毒を秘めたる生き物は
その紋様にしろ色柄にせよ
どこか溌剌に過ぎる感がある。
また、彼岸花の花弁の枯れ様が
薄汚く哀れで短命なのは
鱗茎から上がって来た自分の毒に
やられるからではないか、と。
そして結びの感慨として、
「人間にも才能があるのに
自分の毒でやられる、
そういう人がいる。
美しくもあるが業の深い、
可哀想な花だ。」
と締めくくる。
慧眼。

初秋を鮮やかに飾り立てる彼岸花。
そういえば、
その血の気の色に
見えて見えぬ妖しい気配を感じますね。

「花は葉を見ず
葉は花を見ず
いつまた出逢うか
彼岸花

命短し彼岸花
己が毒にて散りぬるを
此の世の定めと誰ぞ泣く

此岸と彼岸の深い川
この世の思いは届かぬか
あの世の思いにこそ倣へ」

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