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Master's Voice

自家焙煎珈琲豆蔵さんのこと

マスターがコーヒー屋を志す一番のきっかけになった

言うなれば、心の師匠的なお店が、福井県の老舗喫茶店「豆蔵」さんです。

前職である牧場の仕事で大怪我をし、その治療のため一時住んでいた福井の地での出会いでした。

当時の日記に豆蔵さんの印象についてのメモが残っていましたので引用します。

≪全面シダーウッドに覆われたカナディアンロッジスタイルの趣ある建物。

屋号が丁寧に刻まれた鉄版地の看板が印象的な、木造りのシンプルなドアを引き開け店内へ。

褄型の高い天井に奥行きのある空間。

床は赤い花柄の柔らかな絨毯敷き。

左側カウンターがとても幅広で客と店との隔たりを感じさせない。

高い位置に据えられた大型スピーカーから舞い降りてくるかのような響きが心地よい。

店の奥には使い古された焙煎機。口の開いた麻袋からは黄緑色の生豆が覗く。

珈琲を大切に扱っている店主の心が感じ取れる店内の空気感。

入口壁の高みに目をやると、ステンドグラスからの木漏れ日。

なんとも癒された気分。

店主によって手際よく丁寧にドリップされた珈琲を一口飲む。

口当たりの良さと喉ごしの滑らかさ、それでいて存在感のある味わいに

店主の心根の優しさと情熱を感じ取る。

ひと時、店主と語らう…

ここの珈琲は店主の人柄そのもの。美味にして妙である。≫

何度か豆蔵さんに通いマスターと語らううちに、自分もこんなお店を是非とも

やってみたいと、その思いに灯がともったのでした。

人生、人と人との出会いの妙から新たな道筋が生まれるものですね。

『こちらが主体的な意識をもって懸命に他者と関わろうとする時

本当の意味での人生が動き出す』  by マスター

豆蔵さんへのアクセス

http://www.shokokai.or.jp/kirishima/18/182018S0045/index.htm

1月18日(火)

喫茶去の心

有名な禅語に「喫茶去(きっさこ)」という言葉があります。

「まぁまぁ、お茶でも一服どうぞ」というくらいの意味なのですが

これが禅語というだけあって、その世界観には深いものがあります。

喫茶店をやっていると、誰や彼やと色々な方が訪れて下さいます。

初めてのお客様、常連さま、様々な職種、風貌のかたetc…。

この世の中は、千差万別の個性豊かな人々であふれています。

そんなお一人おひとりとご縁をいただく場のひとつとして

私どもの喫茶店もございます。

さて、お客様をお迎えする立場として

こんな人は、あんな人は、とやはり人間ですから

より好みの心が生じるものです。

果たして、万人に対して変わらぬ心情で、変わらぬおもてなしを

ご提供するという、喫茶店の使命を存分に果たすことができるだろうか…。

喫茶店といえども、人としての心構えが

常に問われているわけです。

僕の好きな言葉に

「歩み入る者に安らぎを、去りゆく人にしあわせを」

というものがあります。

これは、とあるお座敷にかかげられていた言葉です。

この言葉のポイントは、歩み入る「者」が、去りゆく「人」にと

「者」から「人」へと変容するところにあると思います。

迎え入れた見ず知らずの「者」と、時間と空間をひと時共有し合ったあとに

親しみや愛おしさといった心情が芽生えるなら

おのずとその人の後ろ姿に手を合わせることが出来ると思います。

その瞬間、その「者」は互いにわたしにとってのかけがいのない「人」となる。

皆さんと時間と空間を共有する佳き場として

私共の喫茶店がその役割を果たせるようにと願う次第です。

喫茶去笑間として…。

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